防護エプロンは、歯のⅩ線撮影に必要なんですか?

歯のⅩ線検査にはデンタル法、オルソパン法、コーンビームCT法がある。この中で、最も多く使われているのはデンタルとオルソパンであろう。オルソパンは、歯全体を映し出す手法である。この手法で、虫歯が見つかれば、治療を行い、あとはフォローアップはデンタルで行っている。これらの方法ではの被ばく線量かなり少ない線量である。にもかかわらず、「なぜプロテクターをするのか」を論理的に説明を行う。かつ、患者側に立って被ばくの不安を解消し、どうすべきかについて論じる。

歯科のⅩ線検査にはどのようなものがあるの?

「歯の写真を撮るのに、なんでお腹の防護をするの?」歯医者さんに行って、そんなこと感じたことはありませんか。Ⅹ線量は少ないと聞いているし、歯とお腹は離れているのに。その疑問についてお答えいたします。決して、放射線量が多いわけではありません。たとえ歯科衛生士さんに質問しても彼女らから明確な答えは返ってきません。つまり十分な説明ができないからプロテクターをしていると思ってください。
歯科のⅩ線撮影には、デンタル(歯の1個、もしくは2個を撮影)と呼ばれる小さなフィルムで撮影を行います。フィルムは、30×40mmの大きさで、患者が指で内側から押さえます。そして、外側からツーブス(照射口に取り付ける、円筒状の照射筒)を利用して外側からおさえ、Ⅹ線を照射いたします。もう一つはオルソパントモグラフィー(以下オルソという)と言います。これは、歯の全体を写真に映し出す方法です。装置は1回転することによって1枚の写真に映し出すことです。近年は、コーンビームCTなるものが歯科の検査にも使用されてきました。これは3次元の立体画像を構築する装置です。この装置は歯科のみならず耳鼻咽喉科でも使用されています。

オルソパントモとデンタルとの比較

デンタルは特定の歯を拡大し、その歯の虫歯の深さ、治療後の確認などピンポイントでチェックを行います。厄介なのは、手が震える患者です。こういう時は、付き添いに抑えさせる場合もありますし、技師が抑えながらⅩ線を照射する場合もありますが、かなり大変です。これに対して、オルソは歯の全体像のチェック、虫歯、親知らず、歯周病の進行度、上顎洞の観察などが行えます。あごの状態の確認することができます。これにより、肉眼では見ることができない歯の中や下顎や上顎の状態を知ることができます。
デンタルとオルソを比較するとデンタルは先鋭度が高く初期の異常や微小な変化を見逃さない。しかし、1回の撮影で見られる範囲は狭いので全体の把握には不適である。オルソはすべて先鋭度が高い写真というわけではありません。装置が1回転する軌道と歯の周りの軌道が同じであれば、先鋭度は高くなるのですが、そういうわけにはいきません。弱点として前歯がぼけます、前側にピントを合わせると、奥歯のほうがぼけるというわけです。そしてオルソは、健康状態の良い歯も撮影の対象となるため、無駄な被ばくがあるともいえます。また、頭部は機械的に固定されますのでよほど激しく動かなければ、写真が撮れないということはありません。

防護プロテクターをするのはなぜ?

お腹(生殖腺)に直接放射線を受けてもいないはずなのに、なぜ防護エプロンが必要なのでしょう。その理由は、散乱線というものがあるからなんです。散乱線は歯にⅩ線が当たった後、四方八方に飛び散るわずかなⅩ線のことを言います。そのわずかなⅩ線を防御するために着用するものです。お腹の中には、生殖腺のみならず比較的影響を受けやすい組織と受けにくい組織(筋肉)があります。影響を受けやすい組織とは生殖腺のほかに、脊髄などがあります、これらは放射線の感受性が強いため放射線に敏感に影響を与えるので防護しているのです。万が一の遺伝的影響、そのリスクを抑えるためにプロテクターをするのです。

防護エプロンの必要性はあるのか

現代の歯科Ⅹ線装置はデジタル化が進み、小線量での撮影が可能になりました。デンタル撮影での被ばく量は0.005mSv、オルソの被ばく量は0.01~0.03mSvです。この被ばく量は、私たちが自然界から1年間に受ける放射線の量は約2.4mSvですから、日常生活上受ける放射線量よりはるかに少ないと言えるでしょう。
放射線防護3原則「放射線源から離れる、時間を短くする、防護服で放射線を遮てる」というのがありますが、医療には「ALARAの原則」なるものがあります。これは、医療においてメリットとデメリットを比較して合理的に達成可能な範囲で被ばく量を抑えるという考え方です。こうした考えがって、防護プロテクターを使用してるわけですが、患者さんの中には、理論的な考察を抜きにして、「葉の写真を撮るだけなのに、プロテクターをしなければ成らないほど、放射線を浴びているんだわ」と誤解なさる方が多くいます。そしてそこから誤解が生まれてきました。誤解が生まれる理由は、患者さんのポジショニングしたり、お腹にプロテクターをするのは 歯科衛生士さんであり、被ばくの知識がほとんどないためなんです。ですから、質問しても明確な答えは返ってきません。お腹にプロテクターをかけていただいても決して不安を感じる必要はありません。

 

 

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