早期がんをバリウム検査で見つけるための裏技

バリウム検査といえば1度や2度は、経験があることでしょう。その思い出は決して良いものではないと思います。しかし、我々技師から言わせれば、”我々の言うことを聞きなさい。聞けば癌を見つけてあげますよ”ということになるのですが、なかなかそう簡単にはいきません。”ゲップはするな”というし、ローリングも逆に回ると不愉快な顔をするし、「だからイヤ。」というのもよくわかります。発泡剤を飲むときから、最後の圧迫まで、なぜそのようなことをするの?といった疑問をなくするためにこのブログを書いてみました。

バリウムによる胃の検査法

バリウム検査の目的は、早期胃がんを見つけることです。 ところが胃の中に入ったバリウムは、技師の思惑とは異なり、勝手に流れ出ます。それを止めるために、受検者に対して、きつい口調で指示を出すのですが、なかなか思い道理にはなりません。そこで最後の切り札、圧迫を行うのですが、これも思うようにはいきません。緊張感、太った受検者、筋肉質の受検者などなど、そうした彼らへの最後の切り札についてお話します。
”バリウムはⅩ線を通さない”いうことが知られ、消化管検査として用いられるようになってきたのは近年のことです。しかしながら、バリウムを胃の中に落とし込めるだけであれば、胃の形状でしか診断はできません。胃の形状で診断できるのはステージ3,4の進行がんだけでしょう。つまり。胃の形状で早期がんを見つけ出すことはほとんど不可能なのです。胃の早期がんを見つけ出すには胃の壁を映し出さなければなりません。映し出すための検査テクニック(二重造影法)が日本がんセンターの白壁彦夫先生よりもたらされたのです。

バリウム検査を行う前に

検診で行われるバリウム検査法とは立位の状態で、少量の水と発泡剤を飲みます。ここで受検者にはゲップをしないように指示を出します。その後患者に(第一斜位)右斜めを向くよう指示を出し、バリウムを1口飲んでいだき食道の写真を撮ります。その後、受検者を腹臥位にして撮影台を倒して2~3回左、右と腰を上げ下げして、胃の全体の写真(前壁:胃の前側)を撮ります。そのご、残りのバリウムを全部飲んでいただき、充盈像(胃全体像)の写真を撮ります。

バリウム検査とは

その後は、1回転もしくは半回転のローリングを繰り返し行います。ここではなぜローリングするのかという話をしたいと思います。ローリングをする目的は胃の壁にバリウムを塗るのが目的です。(壁にペンキを塗るイメージです)濃度が濃いと、最初に塗った色は完全に失われます。薄い濃度であれば、最初に塗った色がほんのり出てきます。この、ほんのりとした色(壁の色)が、早期がんを見つけてくれるのです。ただ、濃度が薄過ぎると写真を撮っても胃壁を映し出すことができません。
そこで、薄い濃度のバリウムを何度も何度も重ね塗りするためにローリング繰り返すわけです。しかしこの手法にも欠点があります。ローリングを繰り返すことによってバリウムが流れ出してしまうことです。流れ出したバリウムが前庭部(胃の下部)を覆かぶせてしまうのです。
前庭部は最も胃がんを発生させる箇所でもあります。バリウムを流さない方法として、撮影台の逆傾斜にします。つまり、下に落とさない方法です。撮影台の頭部に受検者用の肩充てがあります。これが逆傾斜した時の安全のための保険になります。胃の形にもよるのですが、右回りはそれほどバリウムは流れ出ませんが、左回りは、バリウムが流れやすくなります。しかし利点もあります。壁に奇麗に塗ることができるということです。この両方の利点を確保するためにピッチング方があります。つまり右へ半回転、続いて左へ半回転し、それを繰り返します。撮影台の頭部側に受検者用の肩充てがあります。これが逆傾斜した時の安全のための保険になります。

それでも流れ出るバリウムの対処方法とは

流れ出るバリウムは、診断に支障が出ます。そこで、バリウムが流れ出る前に写真を撮っていくのですがバリウムの流れ速さが勝っている場合には、バリウムが重なって前庭部は何も見えなくなってしまいます。そこで、前庭部を圧迫して、胃を広げて、胃の形を変えながら撮影を行い、がんを見つけるのです。といえば簡単そうですが、そう簡単ではありません。特に、太った人、筋肉質の人は圧迫するのはかなり難しいのです。この問題を解決する法、教科書に書いているのは、①少量のバリウムを飲んだ後すぐ圧迫をする。この方法は、(早すぎて)バリウムが胃の粘膜に付着くしていないため、不十分な結果となり易い。②患者の緊張をほぐす。リラックスるよう指示をする。このような安易な法で解決するなら、苦労しません。③うつ伏せにさせて、お腹の中に固いタオルを入れ、受検者自身の体重を利用して撮影する。文章にすると簡単ですが、実際に行うのは結構大変です。④撮影台を半分倒して、受検者を斜位にさせて圧迫を行う。で全部がダメな時はどうしましょうか!。

圧迫、最後の切り札

そこで、AIに意見に質問してみました。最近では、医師と技師の間にはかなりコミュニケーションが取れていますから、「圧迫不可」とレポートに書きその理由を書き込む。そして「胃カメラへ変更」と記す。これは最後の最後の切り札です。私が行っている、以下の方法を試してみてください。
太っている人は、筋肉質でなければ、今まで書かれている方法で大丈夫です。厄介なのは太っている人で筋肉質であることです。このような人は、1回、2回挑戦してダメな時、絵検査室の外へ出して、右下で横になっていただきます。そして次の人の検査を始めます。検査が終わり次第、再び検査室に入れて、圧迫を開始します。まだ、バリウム。空気残っているようであれば、再度横なっていただきます。2度繰り返してもダメな時は、胃カメラです。注意してほしいことは、バリウムが流れすぎることがありますので、その時には、バリウムを少量追加主いてください。これでも圧迫ができない時「圧迫不可」のレポートを付けましょう。

 

 

 

 

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